この1年間、私たちは何をしていたのか
この1年間、私たちは何をしていたのか
前回の記事では、
VTMCが「発信を止める」という決断をした理由についてお話ししました。
今回は、その裏側——
この1年間、実際に何をしていたのかをお伝えします。
結論から言えば、やっていたことは非常にシンプルです。
教科書を、全科目、読み直しました。
獣医学の国家試験は、範囲が広く、
そして科目数も非常に多い試験です。
通常の学習では、
まとめ資料
問題集
過去問
を中心に進めることがほとんどです。
それは効率的であり、合理的でもあります。
しかし、私たちはあえてそこから離れました。
なぜなら、
「本当に正しい知識はどこにあるのか」
という問いに、正面から向き合う必要があったからです。
その答えは明確でした。
教科書です。
そこで私たちは、
コアカリキュラムに基づく教科書を揃え
実際に読み込み
内容を確認し
という、極めて地道な作業を繰り返しました。
正直に言えば、これは効率の良い方法ではありません。
時間もかかりますし、
すぐに成果が見えるわけでもありません。
しかし、読み進めるうちに、
あることに気づきました。
それは、
教科書には「構造」があるということです。
単なる情報の羅列ではなく、
どこから説明を始めるのか
なぜその順番なのか
どの概念が土台になっているのか
すべてが意図を持って配置されています。
そしてもう一つ。
著者の「ここは理解してほしい」という強いメッセージがある。
問題集では見えにくいこの構造が、
教科書には確実に存在していました。
ここで、私たちは同時にもう一つの課題にも直面しました。
それは、
教科書の価値を損なわずに、どう活用するかという問題です。
教科書は、
著者の専門的知識
長年の研究成果
教育としての責任
によって成り立っています。
だからこそ、
単純に内容を抜き出したり、
まとめとして公開したりすることは、
本来の価値や、著者・出版の意義を損なう可能性があります。
私たちは、この点を非常に重く考えました。
目指すべきは、
教科書を置き換えることではない
教科書を簡略化することでもない
教科書の価値を守りながら、
その理解を支援する仕組みを作ること。
つまり、
内容そのものは外に出さない
しかし、どこを学ぶべきかは示せる
構造や関係性は整理できる
という形です。
ここで、最初の気づきと結びつきます。
教科書が難しい理由は、
情報量だけではなく、
構造を意識せずに読んでいること
にもあったのです。
だからこそ必要なのは、
知識を減らすことではなく、
構造を明らかにすること。
この瞬間から、
VTMCの取り組みは大きく方向を変えます。
教科書を守る
しかし、学びやすくする
この一見矛盾する課題に対して、
私たちは
「構造化」というアプローチを選びました。
教科書の構造を分解し、
再整理し、
AIと接続できる形に変換する。
そしてこれが、
後に大きな突破口になります。
次回は、
「なぜ従来の学習方法では限界があるのか」
について、もう少し具体的にお話しします。

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